妊娠中に一度は耳にする「さい帯血保管」。自分の赤ちゃんの将来のために、出産時に採取できる貴重な「さい帯血(へその緒に含まれる血液)」を保管しておこうと考える妊婦さんは年々増えています。
しかしさい帯血保管には「公的バンク」と「民間バンク」という2つの選択肢があり、どちらで保管すべきか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?

0歳男の子ママ
2つの違いをしっかり理解したうえで最適なものを選びたいですよね。
この記事は以下のような方におすすめです!

この記事では、妊婦さんがさい帯血保管先を選ぶうえで知っておくべきポイントや、それぞれの保管先のメリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。
さい帯血保管先を選ぶ時に比較するべきポイント
さい帯血の保管先を決める際には、「自分の価値観に合った選択」ができるよう、それぞれのメリット・デメリットをしっかり比較してから選ぶ必要があります。さい帯血の保管先を選ぶ時には、以下の3つの観点から比較することが大切です。
さい帯血を保管する目的
まず最初に、「誰のためにさい帯血を保管するのか」という目的を明確にしましょう。公的バンクの場合は病気でさい帯血移植を必要とする他人のために無償で提供されるため、自分や家族が利用することは基本的にできません。
一方、民間バンクでは自分や家族の将来の医療利用のためのさい帯血の保管が可能です。赤ちゃん自身や兄弟姉妹の治療など、家族内での使用が想定されています。
利用可能性と将来性
公的バンクでは提供されたさい帯血が実際に患者さんに使われることもあり、「社会貢献」としての意義が大きいです。保管したさい帯血が使用される可能性はかなり高いと言えるでしょう。
一方、民間バンクでは将来再生医療やがん治療などで自分のさい帯血が役立つ可能性に備えるため、家族の健康リスクに備えて保管することになります。そのため、使用しない可能性も考慮しておかなければいけません。
保管期間と費用
公的バンクでは無料でさい帯血を保管してもらえます。ただし提供されたさい帯血は他人のために使われるので、自分の手元には残りません。
民間バンクは契約内容によって異なりますが、初期費用で10〜20万円、保管料として年間1〜2万円程度かかるのが一般的です。それなりの費用が必要となりますが、長期間さい帯血を保管してもらえます。
費用面はどうしても気になるところですが、分割払いやキャンペーンを実施している民間バンクもあるので、各バンクの資料を請求して具体的な料金プランなど詳細を比較してみるのがおすすめです。
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公的さい帯血バンクでさい帯血を保管するメリット
それではまず、公的バンクにさい帯血を提供・保管するメリットを見ていきましょう。
厳格な検査・管理体制
公的バンクでは、厚生労働省のガイドラインに基づいて厳しい検査と管理が行われます。感染症検査や細胞数のチェック、凍結保存など、高い基準をクリアしたさい帯血のみが保管されるのです。
「赤ちゃんの体から採取したものだから、安全に取り扱ってほしい」というママの気持ちにもしっかり応えてくれる体制が整っているのは嬉しいですよね。
社会貢献につながる
「自分の子のさい帯血が、誰かの命を救うかもしれない」という体験は、家族にとっても誇りに感じられるものです。また、さい帯血移植のドナー不足の解消にも貢献できます。
特に近年は、小児がんや難病と闘う小さな命を救うための「赤ちゃんの力」に注目が集まっています。社会の中で赤ちゃんの誕生が果たす役割を知ることができるのも、公的バンクの魅力の一つです。
無償で提供できる「命のリレー」
公的バンクに提供したさい帯血は、白血病や再生不良性貧血などの治療を必要とする患者さんに無償で提供されます。提供者の赤ちゃんが生まれたばかりの命を使って、他の命を救うことができる、まさに“命のリレー”です。
公的さい帯血バンクでさい帯血を保管するデメリット
一方で、公的バンクには以下のような注意点もあります。デメリットを正しく知ったうえで判断することがとても大切です。
採取・提供できる医療機関が限られている
公的バンクと提携している産院で出産しなければ、さい帯血を提供することができません。自分の出産予定の病院が対応しているか事前に確認する必要があります。
「せっかく興味を持ったのに、うちの病院は対象外だった…」というケースもあるので、早めのチェックが大切です。
厳しい採取基準がある
感染症の有無や出産の経過などによって、さい帯血の提供ができないケースもあります。希望しても全員が提供できるわけではない点に注意しましょう。
また、赤ちゃんやお母さんの健康状態によっては、当日になって採取が中止になることもあります。
自分や家族のためには使えない
一度提供したさい帯血は、基本的に他人の治療のために使われるので、自分や家族が将来必要になっても取り戻すことはできません。そのため、「将来自分の子どもや家族のために保管したい」と考える方にとっては不向きな面も。
ただし、これは公的バンクが社会全体の命を支える仕組みであることの証でもあります。目的や価値観に合うかどうかを見極めるためにも、資料でさい帯血保管について詳しいルールを確認しておくと安心ですね。
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民間バンクでさい帯血を保管するメリット
民間バンクでさい帯血を保管するメリットについてご紹介します。
将来家族の医療のために使える
民間バンクでさい帯血を保管する最大のメリットは、自分の赤ちゃんやその兄弟姉妹など、家族の治療に使えるという点です。近年では、白血病や一部のがん、先天性疾患、再生医療分野での応用も期待されています。
保管しておくだけで将来の安心材料になるなら、検討する価値は十分ありますよね。対応疾患や症例などは、各民間バンクで用意されている資料で確認できます。
好きなタイミングで保管期間を延長できる
民間バンクでは保管年数を柔軟に設定できるケースが多く、10年、20年と延長も可能です。将来、医療技術の発展とともに利用の幅が広がる可能性を見越して長期保管する選択肢もあります。
保管期間や費用はバンクごとに異なるので、まずは複数の資料を取り寄せて比較してみるのがおすすめです。
出産施設との提携が多い
多くの民間バンクは全国の産院と提携しているため、比較的どこの産院でもさい帯血を採取して保管してもらえる体制が整っています。出産前の手続きさえ済ませておけば、準備もスムーズです。
「今通っている病院でも対応しているかな?」と不安な方も、各バンクの資料に提携病院の一覧が載っていることが多く、すぐに確認できます。
民間バンクでさい帯血を保管するデメリット
民間バンクを検討するうえでの注意点も確認しておきましょう。
現時点では使用の可能性が低い
現段階で、さい帯血を自家使用(自分や家族で使うこと)が本当に必要となるケースはごくまれです。「せっかく保管しても使わないかもしれない」という可能性を踏まえたうえで判断する必要があります。
とはいえ、将来の医療技術の進歩を見越して「選択肢を残しておく」という考え方もありますよね。保管は“保険”としての役割も持ちますので、使用例や将来期待されている分野を知っておくことは大きな判断材料になります。
費用がかかる
民間バンクでの保管は自己負担となるため、費用面がネックになる方もいるかもしれません。初期費用に加えて、毎年の保管料も必要です。
ですが、具体的な金額や支払いプランはバンクごとに違うため、「高そう…」というイメージだけで諦めるのはもったいないかも。分割払いやキャンペーンを実施している民間バンクもあるので、各バンクの資料を見て最適なさい帯血の保管先を探しましょう。
会社選びに慎重さが必要
民間バンクには複数の企業がありますが、中には信頼性や保管技術に差がある場合もあります。将来にわたって安心して保管できるか、実績や顧客サポート、倒産リスクなども確認しましょう。
「万が一のときにちゃんと使えるのか?」という不安は、公式資料やパンフレットのQ&Aや対応事例を見ることでかなり解消されます。どんな体制で保管しているのか、どれだけの実績があるのか、気になるポイントを見比べて、安心して任せられる会社で運営されているバンクを選びましょう。
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