妊娠中、なぜかパンばかり食べたくなるという経験をしている妊婦さんは少なくないのではないでしょうか。甘いパンや香ばしいトーストの香りに惹かれてつい手が伸びるものの、体重管理や栄養バランスが気になるという声もよく聞きます。
現在 妊娠9ヶ月
管理栄養士の堀川衣梨さんに記事を監修していただきました!
この記事は以下のような方におすすめです
- 妊娠中にパンばかり食べたくなって困っている妊婦さん
- パンが美味しく感じるけど、どの程度の目安で食べていいのか知りたい妊婦さん
- パンの食べ過ぎを予防したい人
この記事では、妊娠中にパンが食べたくなる妊婦さんのためのパンの食べ方やパンの食べ過ぎ予防法、そして妊娠中にパンが食べたくなる理由について詳しく解説します。
体重管理が気になる妊婦さんのためのパンの食べ方
パンを楽しみながら体重管理や栄養バランスを保つために、妊娠中におすすめなパンの食べ方を紹介します!
低糖質・高たんぱくなパンを選ぶ
体重管理が気になる妊娠期には、低糖質・高たんぱくなパンを選ぶのがおすすめです。コンビニや通販で買える「ふすまパン(ブランパン)」は、小麦粉の代わりにブラン(小麦粉の表皮)、全粒粉、大豆粉などが主原料で、一般的なパンよりも糖質がカットされていることに加えて、食物繊維を含むため腹持ちがよく、血糖値の上昇を抑えてくれます。
栄養バランスがよく食べ応えのあるパンとして、ベースブレッドも人気が高いパンの一つです。ベースブレッドを日々の食事に取り入れると、1食分(2袋)で1日に必要な栄養素の約1/3を摂取できます。
不足しがちな栄養素を含む食品と一緒に食べる
パンだけを食べるのではなく、ほかの栄養素を補う食品を組み合わせることでバランスの良い食事ができます。
カルシウムを補う
赤ちゃんの骨や歯を作るために必要なカルシウムは、妊娠後期に不足しがちな栄養素です。ヨーグルトや牛乳、チーズ、納豆、しらす、小松菜などに含まれ、パンと一緒に食べるのがおすすめです。
ビタミン類をプラス
赤ちゃんの成長に必要なビタミンは、妊娠期に必要量が増え、効率よくエネルギーに変換されることが重要です。特に糖の代謝をサポートしてくれる、ビタミンB1やB2を積極的に摂るようにするとよいでしょう。レバーや納豆、牛乳、卵、ブロッコリーなどに多く含まれています。
鉄分を補給
鉄分はお母さんと赤ちゃんにとって重要な栄養素です。不足すると貧血により、動悸や息切れを感じます。牛肉や豚肉、かつおやマグロ、卵、葉物野菜に多く含まれ、ビタミンCを含む食材と一緒に摂ると吸収率が上がります。
ほかの食事でカロリーや栄養バランスを調整する
1日の食事のどこかでパンを楽しむ分、ほかの食事でカロリーや栄養バランスを調整する方法もあります。
夕食を軽めにする
パンを食べ過ぎてしまった日は、夕食を軽めにするのがおすすめです。切り干し大根の煮物やわかめの味噌汁、湯豆腐、玄米ごはん、ココアなど、不足しがちな鉄や亜鉛、カルシウムなどをおかずに取り入れるのもいいですね。
間食を控える
体重が気になるときは、できるだけ間食を控えるようにしましょう。3食しっかりと食べて、安定期に入ったら運動を取り入れるのもおすすめです。「どうしても…」というときは、1日200kcalまでとルールを決めておきましょう。
飲み物を工夫する
妊娠中は糖質やカフェインに注意して、飲み物を工夫してみるのもよい方法です。白湯や麦茶、牛乳(豆乳)、カフェインレスコーヒー、ルイボスティーなどを温かくして飲むと、気分転換やリラックスにもつながります。
パンが食べたい時に不足している栄養素
妊娠中にパンばかり食べたくなるのは、単なる嗜好の問題ではなく、体が特定の栄養素を求めているサインかもしれません。特に以下の3つの栄養素が不足している可能性が考えられます。これらを意識的に補うことで、パンへの過剰な欲求を軽減し、よりバランスの良い食生活を送ることができるでしょう。
炭水化物
妊娠中にパンが食べたくなるのは、炭水化物が不足しているサインだと言われています。 脳や体のエネルギー源になる炭水化物は、妊娠期の活動や赤ちゃんの成長を支える役割がある栄養素です。
パンの代わりに、食物繊維を含むごはんやいも類、果物に置き換えることで、体重増加や血糖値の急上昇を防げます。
たんぱく質
無性にパンが食べたくなるときは、たんぱく質の不足も考えられます。人はたんぱく質が不足すると食欲が増し、その風味や味を欲するような仕組みができているのです。また、塩分や甘いものが食べたくなるときもたんぱく質不足が考えられ、十分な摂取により自然と収まるとも言われています。
この記事内で紹介した完全栄養食のベースブレッドなら、たんぱく質を始めとしたさまざまな栄養素を豊富に含んでいるため、少ない量のパンで満足感を得ることができますね!
ビタミンB群
パンが食べたくなるときは、摂取した炭水化物やたんぱく質が、エネルギーに変換されていない可能性も考えられます。この場合、ビタミンB1、B2、B6などを含むビタミンB群を食事に取り入れてみましょう。ビタミンB1は玄米や豚肉、ビタミンB2はレバーやナッツ、ビタミンB6は肉や魚、牛乳、バナナなどに多く含まれています。
完全栄養食のベースブレッドはビタミンB2や鉄の含有量がかなり高く、一緒にたんぱく質・食物繊維なども摂取できるので、不足している栄養素を補う食品としても最適です!
妊娠中にパンが食べたくなる理由
妊娠中にパンが食べたくなるのは、ホルモンの急激な変化によって、食の好みが変わるためです。これはエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが関係しています。
また、特定の栄養素を身体が欲しているからとの考え方もあり、妊娠期に必要なエネルギーやたんぱく質、塩分を補うために、パンを食べたくなることがあります。
妊婦が毎日パンを食べても大きな問題はない
妊娠期にパンを毎日食べることは、問題はありません。つわりで体がしんどいときや台所に立つのが難しいときなどに、手軽な食事として重宝します。また、野菜や肉、たまご、きのこなどをのせれば、ビタミンやミネラルもバランスよく摂れる食事になりますよ!
ただし、1食あたりの目安量は、6枚切りの食パンなら2枚、ロールパンなら2個程度です。クロワッサンや白いパンなどはバターや砂糖を多く含み、エネルギー過多になりやすいため、パンの種類を選ぶことは重要です。
パンの食べ過ぎは体重増加や妊娠糖尿病に影響する
パンは食べすぎによって、体重増加や妊娠糖尿病を引き起こす可能性があるため注意が必要です。これはパンに含まれる糖質や脂質が多いこと、血糖値の上げやすさを示すGI値が高いこと、パンに合わせるおかずが高カロリーであることなどが理由として挙げられます。
また、パンの主原料である小麦粉や砂糖、バターには糖質や脂質が多く含まれ、ジャムやバターを塗ったり、洋食のおかずを合わせたりすると、血糖値の上昇と余剰分が身体に脂肪として蓄積されてしまうことがあります。
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